当院では水曜日午後、日帰りでの白内障手術を行っています。
通常は点眼薬による麻酔、2.4mmの切開創から白内障を破砕吸引し、人工の眼内レンズを挿入して終了します。日帰り手術が困難な方には、入院できる他の病院を紹介します。
手術後は創が落ち着くまでの3~4日間は毎日通院していただき、その後は2週間毎の診察、手術後2か月経過した時点で1か月毎の通院になります。
手術当日は眼帯をしますが、翌日の診察で異常がなければ眼帯は使用せず、かわりに目を保護するための保護メガネを使用していただきます。
現在では、手術方法や医療機器の進歩により、安全な手術が可能になっています。

事実、年間約3,000人が糖尿病が原因で視覚障害の認定を受けています。
また、厚労省によると「糖尿病が強く疑われる人」は890万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」は全国に1320万人いると推測されています。糖尿病による眼の合併症は糖尿病網膜症ですが、急に悪くなるのではなく、初期の単純網膜症から、中期の増殖前網膜症を経て、末期の増殖網膜症に段階的に進んでいきます。
ただ、自覚症状は増殖網膜症まで進行しないと現れ難いので注意が必要です。
単純網膜症とは、高血糖により目の中の細い血管が障害された病期です。
壁が膨らんでコブ状になった血管や、小出血が眼底検査で発見されます。
この段階では、血糖を良好に維持することで網膜症を悪化させないことが可能ですから、眼科で定期的に眼底検査を受けながら、内科治療を継続してください。
血管の損傷がさらに進み血流が途絶え、網膜内に酸素不足の場所ができると、増殖前網膜症です。まだ自覚症状に乏しい時期ですが、この酸素不足状態を放置すると末期の増殖網膜症に確実に進行します。
至急、レーザー光線による網膜光凝固術を行い網膜の酸素不足を解消する必要があります。
最終段階の増殖網膜症は、正常眼では存在しない新生血管が発生した網膜症です。この新生血管は壁がもろいため容易に破綻し、眼のなかで出血、視力低下や飛蚊症をひき起こします。
また、網膜がひっぱられ、網膜剥離を起こすこともあります。失明をまぬがれるためには多くの場合、手術が必要です。
糖尿病網膜症を生涯にわたって悪化させないことは、特に働いている世代にとって容易なことではありませんが、網膜症による視覚障害は日常生活を大きく制限します。医師のアドバイスに耳を傾け内科の治療をしっかり行い、定期的に精密な眼底検査を受けることが大切です。眼底検査の間隔は個人個人により異なります。眼科で受け取る「糖尿病眼手帳」に次回の来院日が記載されていますので、是非参考にしてください。
緑内障にはいくつかの異なる病型がありますが、すべてに共通しているのは、視神経が障害されることにより視野が欠けていく病気であることです。
失われた視野を回復させる治療法は現在、残念ながらありません。
しかし、眼圧(眼球の固さ)を下げることで視野欠損の拡大を止めることが可能です。
平成12~13年にかけて岐阜県多治見市で、40歳以上の一般市民のうち4,000人を対象に緑内障に関しての大規模な調査検診が行われました。
その結果、5.0%の市民に緑内障がみつかり、さらに、その中のなんと89%の人々が緑内障の治療を受けていない、つまり、緑内障が初めて見つかった市民でした(詳細は、日本緑内障学会ホームページを御覧下さい)。
この調査結果から、他の地域でも同様に、緑内障に罹患していることに気付かずに、治療を受けていない住民が多数いると推測されます。
仮に緑内障と診断されると、薬、レーザー治療、手術のなかから、病状の重症度に応じて適した治療を選択、行うことになりますが、多くの緑内障患者さんは、点眼薬の使用のみで治療が可能です。
眼科では、視力、眼圧、眼底、視野検査などを行い緑内障かどうか診断します。
これらの検査はいずれも痛みや苦痛を伴わない検査ですから是非受けてほしいと思います。
ちなみに、血圧と眼圧に関連はありません。また、眼を使うことで緑内障が悪化することはありません。
さまざまな治療を行っても進行を止められない緑内障がまれにあることも事実ですが、ほとんどの緑内障は治療を継続していくことで視野欠損の進行を止めることが可能なのです。
緑内障は、潜在患者数が多い、欠損視野を回復できない、治療で進行を止めることが可能という点から、早期発見早期治療が大切です。
まばたきをしないで10秒間、目をあけていられますか?
できなければドライアイかもしれません。
目の表面はいつも涙でおおわれていなければなりません。
なぜなら涙はただの水ではなく、目に必要な栄養や、外界の雑菌をやっつける成分を含んでいて、目にとって大変重要な役割を果たしているからです。
ドライアイとは、この大切な涙の産生が不足して、または、涙に含まれる成分が変化することにより眼表面での分布が不安定になり、どんどん蒸発した結果、目の表面がただれている状態のことをいいます。
ドライアイの主な原因としては年齢を重ねると涙を作りだす涙腺の機能が低下し、分泌量が減少するということがあげられます。
また、涙の成分構成が変化して蒸発が速まる場合があります。
現代はドライアイになりやすい環境がそろっています。
集中してPCやゲーム機のモニターを見ることでまばたきの頻度が低下します。
今年は例年に無い残暑でしたが、職場や車のなかではエアコンが効いていて、体は快適でも目には過酷な環境となっています。
血圧を下げる薬や、精神疾患薬のなかには涙の分泌を減少させるものがあります。
目薬にも目の表面をただれさせるものがあり、特に緑内障の薬を使用している場合は定期的な観察が必要です。
膠原病や関節リウマチなどの全身疾患ではドライアイを併発することがあります。
治療には、人工涙液とよばれる涙の成分に近い点眼薬や、目の表面を保護するヒアルロン酸ナトリウム点眼薬がよく使われます。
また最近、眼表面での涙液の安定性を高める点眼薬も使われ始めました。
涙点プラグ挿入術は、涙が鼻の奥に流れ出ていかないよう、涙の排水口にふたをする治療法です。
少ない涙液分泌量でも貯留量を増やすことができ、ドライアイの状態を改善させることができます。
点眼薬は作用が強い弱いではなく、どれが最も効果的かということが一番重要です。
我々眼科医は、一度の処方ですぐに決めるのではなく、眼所見の変化をみながら薬を取捨選択し、決定していきます。